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11 森村桂さんの再婚を祝って


加藤登紀子 (歌手)

みなさん!桂さんの幸福そうな顔を見てやって下さい。私も先ほどから、ほっぺもふっくらと、髪もつややかになって、何とまあ可愛らしい花嫁さんだろうと見とれているんです。まるで夢みる少女のようですが、全く奇跡のように元気になって、見事に再出発する彼女に心から”おめでとう”をいいます。
 
桂さんと私のつき合いはずいぶん長いんです。私が歌手になったばかり、彼女が作家としてデビューしたばかりの頃、いっしょに対談をして何となく意気投合したけれど・・・、本格的につき合いが深まったのは、彼女が「もうひとつの学校」を開こうとした時からなんです。彼女の”相談役”みたいな気持でかかわり合うようになりました。
 
当時彼女は大病をして、やっと一命をとりとめた後で、体がもつかどうか心配したけれど、非常に意欲的に、猛然とこの仕事にとりくんでいました。私もできるだけのアドバイスをしながら”すばらしいな”と眺めていたんですが・・・・。
 
思えば、あの頃から彼女の中で何かが起りつつあった、大きな選択をせまられていたわけなんですね。「学校」がはじまって一年すぎた去年の一月、重大な決意をきいたんです。
 
こんなお祝いの席で離婚の話は非常識ですが、そんな苦しい体験を経て、ひとまわりも、ふたまわりも大きく、幸福をつかまえた彼女をみていると、本当に”別れ”は”出逢い”のはじまりだと痛感するんです。
 
離婚が罪だなんてこれっぽっちも思ったことがないので「あなたの選択はまちがってないよ。頑張ってよ!」といってやりました。本当にその時の彼女は、とても魅力的だったんです。
 

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「私は今まで夫の存在をとおしてしかものを見てこなかった。今、少しずつ自分で歩きはじめてみて、これではいけないと思うようになったの。世界がひろがってきたことを、もっと素直によろこんで、受け入れて、どんどんやっていきたい・・・・。
夫にわかってほしかったんだけど、ストップをかけるのよ。私はもうあともどりはできないし、別れるしかないわね」
 
彼女は淡々と話してくれました。私は彼女の勇気に祝杯をあげたいくらいの気持ではげましたんですが、彼女にはすごく”うぶ”な面があって、その後”ごめんなさい”悪かった”淋しい”とひたすら後悔しちゃったんですね。
ゲッソリやせちゃって、やつれ果てて、大げさではなく、まるで死の淵に立っているようでした。
 
いつの間にか私は人生の”相談役”にまでなってしまって、どうにかして彼女に生き返ってほしいと思い、いろいろ考えました。
 
皆さんもご存知のように、彼女は他人の思惑や常識にとらわれず、もの事をまっすぐ見る人ですし、他人をあたたかく包みこめる人ですし、何といっても、あっけらかんとした明るさは天下一品なんですね。
きっと立ち直ってくれるだろうと確信していましたが、やはり、彼女は作家ですから、とことん悲しんで苦しんで一年後、また童女のようになって現われました。
 
「あなたの近所に住むことになったわ」と突然の連絡で、その明るい声で結婚の知らせ?とピーンときました。
「ひとりぽっちの私の魂は誰にもうけとめてもらえなくて、さまよいつづけるんだなと思ったら死ぬのがこわくなったの」なんて、相変わらずの童女ぶりに私は安心し、本当によかったと思いました。
 
童女を生き返らせてくれた方・・・おとなりの三宅さんは、これまた桂さん以上にあたたかい人なんです。
でなければ、童女がほれるわけはないと思うんですね。
 
「彼は心底やさしい人なの。自分の思うとおり生き生きとやってくれれば、それでいい・・・・っていってくれた」彼女は、目を輝かせて嬉しそうにのろけてます。
 
私は、今日限りで、”相談役”からおります。

「ここ一番役立つ有名人・名スピーチ集」 より


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公開日:
最終更新日:2018/08/17

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