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結婚スピーチのまとめ方、ウエディング スピーチレター

4 長ばなしと子供ごころ

入江徳郎 (評論家)

長男の結婚披露宴の折、荒垣秀雄さんがして下さったスピーチはすこぶる好評で、いいスピーチでしたと賛辞を何人もの方から聞かされた。
そのスピーチは次のようなものだった。
 
マーシャル・プランで有名なアメリカのマーシャル元帥が夫人といっしょに散歩し、こどもたちがタコをあげるのを見た。
 
空高く上っているタコを見て元帥はいった。「ごらん、あのタコとシッポの関係、あれが夫婦の仲というものだ。シッポが軽くてはタコはキリキリ舞して落ちてしまう。しかし、シッポが重すぎてもタコは上がれない。両方がうまく調和してバランスがとれるとタコは空にあがる。夫婦とはあんなものだ・・・。」
 
この話を引用して、荒垣さんは「タコである新郎とシッポである新婦とが調和して、しあわせの空に高くあがられんことを」と結び大きな拍手が湧いた。
 
このスピーチはあちこちで盛んに利用され、そのあと別の披露宴でも聞いた。ただし人物がマーシャルではなくて、ドゴールに変わっているのがおかしかったが、同じ披露宴の席であとの方で指名された某氏が、まったく弱り切った顔で、
 
「いやじつは、きょうのスピーチに、わたしもタコとシッポのお話をするつもりでいたところ、先に話されてしまい、タネがなくなって途方に暮れています」
正直な告白に満場爆笑したことがある。
 
 
爆笑といえばこういうことがあった。ある方のお嬢さんが結婚してその披露宴。ところが新婦側の主賓のスピーチがまことに長い。五分か、せめて七分くらいで終ればよいものをえんえん五十分たってもまだ続いている。アルコールが少し入っているらしく、説き去り説き来り、ついには国際関係にまで拡がっていつやむともはてしがない。その間、料理もおあずけ。参会者一同かしこまって謹聴。新郎新婦の両親とも困ったという顔だが、とめるわけにもゆかない。
 
その時、珍事が起った。末席に新婦のお姉さんたちが並び、それぞれ子供を連れていたが、中の一人の坊やが大きな声でこういった。
 
「ネー、ネー、うちのおねえちゃん、なぜあんなに叱られてるの?あのオジサン、どうしておねえちゃんを叱っているの?」一同、プッとふきだす。おかしさにおなかをおさえて苦しがるご婦人もいる。これでやっと気づいたか、さしもの長スピーチも「まことに簡単ではありますが」とようやく終ったが一時間近いエンゼツに一同グッタリしてしまった。
 
こうしたスピーチは三分ぐらいがいいところだから、なんと二十人分、それもおもしろくない演説をなされたわけである。
 
 
ある披露宴で田中角栄のスピーチを聞いたがうまいものだった。国会で社会党が強硬に反対し、もめているさなかで、田中氏はその間を縫って大急ぎでかけつけてきて、汗をふきふき、扇子をパタパタとやると、
 
「やっぱり夫婦の仲というものは、自民党と社会党の関係じゃあイケません。自民と民社くらいの仲がよろしい」新郎側の主賓が民社の国会議員だったこともあって、当意即妙のスピーチに一同は大笑いしたものだ。
 
スピーチに困る時、わたしは「新郎、新婦に E I J と三つのアルファベットを贈ります。Eは英知、Iは愛、Jは自衛、つまり生活を二人で守ることです」。これに尾ヒレをつけて、三分もたせることにしている。
 
タコとシッポのスピーチと違って、この方は利用してくれる人がほとんどないようだ。

「ここ一番役立つ有名人・名スピーチ集」 より

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投稿日:2018年2月7日 更新日:

執筆者:

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